古味作品(光属性)と「ダブルアーツ」 | 綾ch 女装教育テレビ 『日本文学科』

古味作品(光属性)と「ダブルアーツ」

一度やめたら始めるきっかけを探してはや半年。


週間少年ジャンプで新連載が始まりました。

わしが以前から注目していた古味直志先生。


古味センセの作品は読みきり三本だけだけど

全部読んだし。


で、読みきり全作読んで(特にはっきり気づいたのは

3作目「ウィリアムズ」だけど)ある共通点に気がつく。


どの作品も「悪役」が出てこないのである。

(人間にしろ人外のものにしろ)


それでこれだけ話が構成できてキャラが動いてて、

ラストには感動できるってすごくない?と思ったわけです。

(少年漫画に限らなければあるかもしれないけど)


もしかしてもしかしてこの人は

今まで誰もやってこなかった手法を展開しつつ、かつ

人を傷つけたり憎んだり殺したり、っていったものを

排除した漫画を描こうとしているんじゃないかって。

(夢いっぱいに生きる少年少女たちのため・・・)


表現が難しいのですが、間違いなく「光属性」

めいたものを感じます・・・。

わしは俗にまみれているのでこういう光も求めつつ

ドロドロした人間の暗いところに触れた話も

キライではない中途半端。


で、今回の新連載「ダブルアーツ」

これまで悪役らしい悪役を描かなかった古味氏が

「立ち向かう敵」としてまず選んだのは

形のない「病」というもの。

なるほどこれなら人が人を傷つけないで済むかも。


そしてちょっとズルいと思ったけど。

「トロイ」の最期は人が消えてなくなる・・・ってコト。

死体が残る方が残酷だけどインパクトは残るに決まってる。

でもその悪いインパクトをやっぱり排除したというか。


でもやっぱり「連載」ってなって、「人間(人型)の敵」も出てきたし、

敵とはいえ人殴ってるし、さすがに読みきりのように

表現(こだわり)を制限しきることは難しいみたい。


第一話の最後に、

「この時の私は まだ知らない

私達を待ち受ける戦いの日々を」って

モノローグがあったけど。

それはこれから戦いの日々が描かれるということ。

(もちろん戦う相手は「人」とかはっきりした「悪」とは

限らないかもしれないけど)


古味氏が「戦いの日々」を描く覚悟を決めるまでに

もしかしたらものすごく試行錯誤があったんじゃないかって

勝手に推測してます。


だからこれからがすごく楽しみでもあり、ちょっと不安です。

人気ももちろんだけど、話がどうなっていくのか。

自身の表現したいものを表現しきれるのか。


春を到来させる光属性めいっぱいの新連載ってことで。

注目し、発見し、個人的に書かずにはいられない話題でした。


しっかし不満といえばこの17号背表紙扉絵が

編集部の手違いで思いっきりワンピの絵柄なんだよなぁ。

しっかりしやがれ!!編集部!!!